尿検査をして蛋白の陽性反応がでた場合、考えられる腎臓の病気をご紹介。原因はさまざま考えられますが、腎臓が本来の機能を果たしていない点に着目することができます。
尿検査をして、本来であれば尿にはあまり存在しないはずの蛋白が一定以上混じると尿蛋白の陽性反応がでます。腎臓が本来の機能を果たしていない可能性があると、蛋白質などの物質が尿に多く混ざってしまうからです。
尿検査の際、生理的蛋白尿(機能的蛋白尿)と言われ、生理的な影響で一時的に尿に蛋白がでる場合もあります。これは腎臓機能に障害があるのでも、病気が原因でもありません。
次のようなタイミングで尿検査を行うと、陽性反応がでることもあるようです。
蛋白質は尿に混じりやすいため、一度の検査で陽性でも、再検査で陰性になることもあります。このような場合は生理的蛋白尿だった可能性が高いのですが、再検査でも異常がでた場合は、以下のような病気の可能性が疑われます。
または、血液や体全体に影響する病気(※肥満症、高血圧、膠原病など)が原因により、腎機能を低下させているとも考えられます。
尿蛋白がでているという点で、まず疑われるのは腎臓に関する病気です。腎臓の病気には次のようなものがあります。
尿蛋白の原因は、腎臓そのものの機能低下によるところが大きいことがわかります。
ところが、一概に腎臓のトラブルとは言い切れないこともあるのです。それは、尿が作られる段階で見たとき、腎臓の前の段階と腎臓の後の段階で何らかの異常が起きて、蛋白がでていることもあります。
そこで、次のように病的な蛋白尿を区別します。
腎臓は正常ですが、腎臓以外の臓器の障害などが原因で血液中に蛋白の増加が起こり、腎臓での蛋白の再吸収が追いつかずに尿の中に排出されてしまいます。
腎臓の障害による機能低下が原因で、蛋白が尿の中に排出されてしまいます。糸球体性蛋白尿、尿細管性蛋白尿の2つの障害があります。
腎臓の機能は正常ですが、膀胱などのような腎臓より下部の臓器の影響によって、蛋白が尿の中に多くでてしまいます。
尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に貯まります。そして尿意をもよおした際に、膀胱から尿道を通って体の外にだされます。このように、尿の通る腎臓、尿管、膀胱、尿道のことを尿路といいます。
尿の再検査でも尿蛋白の陽性反応がでた場合、なんらかの病気である可能性が疑われます。精密検査を受けることになりますが、まずは検査を受けるまでは安静にしましょう。
身体を動かしていると体を動かすために血液が臓器や筋肉を巡り、腎臓への血流が減ります。血流が減る中で体内の老廃物をろ過するのは腎臓にとって大きな負担となり、腎臓病ならば病気を悪化させることにもなりかねません。
精密検査を行い、病気の内容や病気の程度がわかるまでは、家事、仕事、運動などもできるだけ控えてください。とにかく安静にすることで腎臓を休ませ、腎機能の負担を減らしてあげましょう。
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