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腎臓病の治療費/人工透析の費用と助成制度

腎臓病の治療は長期に渡って行う必要があるため、費用の問題は避けて通れません。
ここでは、腎臓病が進んだ際に行う治療・人工透析と移植手術について、かかる費用と保険について解説していきます。

腎臓病の治療費と保険・助成金

透析治療にかかる費用はいくらぐらい?

人工透析には、通院して行う血液透析と、自宅で行う腹膜透析がありますが、一般的なのは、通院して行う血液透析です。この場合、1週間に3回ほど通院して行う必要があり、1ヵ月あたりにかかる費用は、約40万円と高額です。
腹膜透析の場合は、35万円~70万円が目安となります。

負担を減らすための保険や助成金制度はある?

患者さんの経済的な負担を軽減するために、医療費の公的助成制度が設けられていて、必要な手続きをすることで受けられます。その内容は以下の通りです。

医療保険の長期高額疾病(特定疾病)
透析治療の自己負担が1ヵ月1万円が上限となります。(所得額によっては2万円が上限です)
※腹膜透析の場合、カテーテル手術をした月に申請を行うと医療費が1万円または2万円でおさまるようになります。
<手続き方法>
医師に、特定疾病療養受療証交付申請証に記載・捺印してもらい、加入している保険者(健康保険組合や健康保険協会、共済組合、市町村国民健康保険課)や後期高齢者広域連合の窓口で申請→「特定疾病療養受療証」の交付を受けてください。

自立支援医療(厚生・育成医療)
障害者・児の身体的障害を軽減させる目的で、血液透析や腹膜透析を受けた場合の自己負担分を国制度で助成。(所得額により、自己負担額あり)
原則一割負担。低所得者の場合、一定の軽減措置があり、透析や移植など長期に治療が必要な疾病は、「重度かつ継続」という名称で減額されます。
※身体障害者手帳の交付を受け、治療を受ける医療機関が自立支援医療機関の指定を受けていることが必要です。

小児慢性特定疾患治療研究事業
※透析患者が18歳未満(20歳まで延長可能)の場合、この制度でも医療費の助成を受けられます。

重度心身障害者医療費助成制度
身体障害者手帳1~2級(一部の県では3級まで)の障害者が医療を受けた場合、医療保険や自立支援医療などの自己負担分に対して、各都道府県や市区町村が独自の制度として助成を行っています。
※内容は自治体により異なり、名称、所得制限の有無、助成対象、一部負担金が異なり、65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に加入していない場合、一部制限をつけたり、助成対象としないケースもあります。
<手続き方法>
市区町村役場の障害者福祉課に身体障害者手帳などを提示して申請してください。

保険制度や助成金制度が適応されることで、実際の支払額はどうなるの?

上記の助成金制度を利用した場合、1ヵ月40万円の透析医療費が、最大ゼロ円になるケースもあります。(例:65歳未満、市町村民税額(所得割)3万3千円未満の課税世帯の患者さんで、(自立支援医療自己負担限度額5,000円の場合)

腎臓移植では、ドナーと受ける側の負担・保険はどうなるの?

腎臓移植治療にかかる医療費は、移植を受ける方の健康保険が適応され、ドナーの医療費も、受ける側の方の保険で賄われます。

献腎移植を希望する場合

公益社団法人「日本臓器移植ネットワーク」へ献腎移植希望登録の手続きが必要です。登録時には、新規登録料:30,000円、1年に1回、5,000円の更新料が必要です。
また、臓器提供を受けた際には、日本臓器移植ネットワークに献腎移植コーディネート料として10万円の支払いが必要です(移植日より満3か月以内に移植した腎臓の機能が廃絶した場合、移植者が生活保護世帯または住民税の非課税世帯の場合は免除)。

生体腎移植の場合

手術前の検査費用や手術、入院費用は受ける側の医療保険を使います。移植に至らなかった場合、それまでに要した費用について自己負担となる可能性があります。

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