簡単レシピ【魚料理】
腎臓病のかたでも食事が楽しめる、おいしくて簡単な魚料理の献立レシピを管理栄養士の宮澤かおるさんが作成、つくりかたや分量も教えていただきました。
慢性腎臓病の場合、たんぱく質量は制限しつつも一定のエネルギー量を確保しないと、かえって腎臓に負担がかかる結果となってしまいます。通常は高たんぱくで低カロリーな料理がカラダにいいとされますが、腎臓病食の場合はそうとは限りません。とくにカリウム制限がかかっている人は、お刺身など生で食べるよりも、照り焼きやムニエルなどのほうが適しています。
では、いくつかご紹介していきましょう。
サバの南蛮漬け

主食を低たんぱく米180gとした場合
カロリーが高いサバを使用し、油で揚げることによりエネルギーを確保できます。南蛮漬けはお酢、唐辛子も使用するので少量の調味料でも食べやすい味付けです。漬けることで野菜にもしっかり味がしみ込み、満足度が得られる一品です。
材料・1人分
- サバ60g/A(塩少々/こしょう少々)
- 小麦粉6g/揚げ油適量/にんじん10g/玉ねぎ20g/ピーマン10g/B(しょうゆ5g/酢5g/砂糖3g/水10g/輪切り唐辛子少々)
- エネルギー303kcal/たんぱく質11.6g/塩分1g/カリウム298mg/リン149mg
作り方
- サバはAで下味を付け、小麦粉をまぶす
- にんじん、ピーマンは約3㎝長さの細い千切り、玉ねぎは薄くスライスし、水にさらし水気をきる
- 熱した油で1を揚げる
- バットに2の野菜、3を広げる
- 小鍋にBを加え熱し、沸騰したら火を止め、4のバットに入れ味がなじむように時々混ぜながら漬ける
普通のごはん180gの場合
- サバ40g/A(塩少々/こしょう少々)
- 小麦粉6g/揚げ油適量/にんじん10g/玉ねぎ20g/ピーマン10g/はるさめ10g/B(しょうゆ5g/酢5g/砂糖3g/水10g/輪切り唐辛子少々)
- エネルギー273kcal/たんぱく質8.2g/塩分1g/カリウム235mg/リン108mg
サンマの梅煮
主食を低たんぱく米180gとした場合
お魚をさっぱり食べたいときにオススメのメニューです。サンマのたんぱく質は体を維持するために使われる良質なたんぱく質ですから、制限中でも取り入れたい食材。梅干しを使うとことでしっかりと味が付きますし、食べ応えもあります。和食にはよくお酒を使いますが、市販の料理酒には塩分が含まれているものが多いので、お料理にも飲料用の日本酒を使用するようにしましょう。
材料・1人分
- サンマ75g/A(梅干5g/ショウガ薄切り1g/しょうゆ2g/みりん3g/日本酒5g)
- はるさめ(乾)10g/油5g/だいこん30g/すだち5g
- エネルギー313kcal/たんぱく質12.8g/塩分1.6g/カリウム247mg/リン133mg
作り方
- サンマは頭と内臓、尾を取って洗い、1人分になるようにぶつ切りにする
- はるさめは水で戻し、熱湯で茹で水気をきる
- 鍋に油、Aを入れて沸騰させる。重ならないようにサンマを入れ落し蓋をして弱火で15分ほど煮る。「2」を加えさらに5分ほど煮る
- 好みで大根おろしやすだち、梅干しを一緒に盛り付ける
普通のごはん180gの場合
- サンマ45g/油8g/A(梅干5g/ショウガ薄切り1g/しょうゆ2g/みりん3g/日本酒5g)
- はるさめ(乾)20g/油5g/だいこん30g/すだち5g
- エネルギー302kcal/たんぱく質8.4g/塩分1.7g/カリウム201mg/リン1.7mg
鮭のムニエル
主食を低たんぱく米180gとした場合
材料・1人分
- 鮭60g/小麦粉3g/塩0.5g/こしょう少々/油6g/バター3g/パセリ2g/ソース(マヨネーズ8g/ラッキョウ8g/ピクルス8g/塩0.1g)/付け合わせ野菜(にんじん15g/じゃがいも30g/いんげん30g/バター2g/塩少々/こしょう少々)
- エネルギー311kcal/たんぱく質13.1g/塩分1.1g/カリウム383mg/リン198mg
作り方
- じゃがいも、にんじんは一口大に切り、たっぷりの湯で下茹でし水気をきる。いんげんは約3㎝長さに切り、水に30分ほどさらしておく。鮭は、塩とこしょうで下味をつけ、小麦粉を薄くつけておく
- ラッキョウ、ピクルスをみじん切りにし、マヨネーズ、塩を加え混ぜ合わせる
- フライパンに油をひき、弱火で片面がキツネ色になるまで鮭を焼く。両面、キツネ色になるまで焼けたらバターを入れ、バターが溶けたら火を止めお皿に取り出す
- 3のフライパンにバター、1のじゃがいも、にんじんを入れさっと炒めて塩こしょうで味を整え、火を止める。皿に鮭、付け合せ野菜を盛り付け、2のソースをかける
普通のごはん180gの場合
- 鮭40g/小麦粉3g/塩0.5g/こしょう少々/油6g/バター3g/パセリ2g/ソース(マヨネーズ13g/ラッキョウ8g/ピクルス8g/塩0.1g)
- 付け合わせ野菜(にんじん15g/じゃがいも30g/いんげん30g/バター2g/塩少々/こしょう少々)
- エネルギー306kcal/たんぱく質9.2g/塩分1.1g/カリウム313mg/リン142mg
金目鯛の中華煮
材料・1人分
- 材料:金目鯛65g/片栗粉6g/油13g/長ねぎ2g/ショウガ2g/A(しょうゆ小さじ1/酢小さじ1/酒大さじ1)
- 付け合わせ野菜(チンゲン菜40g/にんじん30g/B(ゴマ油小さじ2分の1/塩少々)
- エネルギー301kcal/たんぱく質12.6g/カリウム444mg/リン351mg/塩分1.1g
作り方
- 長ネギと生姜をみじん切りにする
- フライパンに油をひき中火で熱し、片栗粉をまぶした金目鯛を皮面から焼き、一度取りだす
- 2のフライパンに1、Aを加え、香りがたったら、火を止め、2を加えて味をからませる
- チンゲン菜は一口大、にんじんは短冊切りにする。熱湯で茹で水気をきり、ボウルでBとまんべんなく混ぜ合わせ、皿に3を盛り、4を添える
普通のごはん180gの場合
- 金目鯛40g/片栗粉6g/油13g/長ねぎ2g/ショウガ2g/A(しょうゆ小さじ1/酢小さじ1/酒大さじ1)
- 付け合わせ野菜(チンゲン菜40g/にんじん30g/はるさめ(乾)10g/B(ゴマ油小さじ2分の1/塩少々)
- エネルギー296kcal/たんぱく質8.2g/カリウム444mg/リン67mg/塩分1.1g
ぶりの照り焼き
材料・1人分
- ぶり55g/塩少々/A(しょうゆ小さじ1/酒小さじ1/みりん小さじ1/砂糖1.5g)
- 小松菜20g/しめじ15g//B(マヨネーズ1g/しょうゆ小さじ3分の1/すりごま0.5g)
- エネルギー307kcal/たんぱく質13.2g/カリウム340mg/リン106mg/塩分1.2g
作り方
- 小松菜は約3㎝長さに切り、しめじは小房にほぐしてたっぷりの熱湯で茹で、水気をきる
- ぶりに塩をふり下味をつけ10分置き、キッチンペーパー等で軽く水気をふく
- 中火で熱したフライパンに2を入れて焼き色がつくまで両面を焼いたのち弱火にして、中まで火が通るよう蒸し焼きにする
- 3にAを入れ、ひと煮立ちさせたら中火にし、裏返しながらタレをかけ、味をつける
- 器に1、Bを加え、まんべんなく混ぜ合わせ、ぶりを器に盛り、5を添える
普通のごはん180gの場合
- ぶり35g/塩少々/A(しょうゆ小さじ1/酒小さじ1/みりん小さじ1/砂糖1.5g)
- 小松菜20g/しめじ15g/はるさめ(乾)10g/B(マヨネーズ1g/しょうゆ小さじ3分の1/すりごま0.5g)
- エネルギー296kcal/たんぱく質8.2g/カリウム444mg/リン67mg/塩分1.1g
魚の栄養成分一覧
慢性腎臓病の場合、たんぱく質量は制限しつつも一定のエネルギー量を確保しないと、かえって腎臓に負担がかかる結果となってしまいます。通常は高たんぱくで低カロリーな料理がカラダにいいとされますが、腎臓病食の場合はそうとも限りません。とくにカリウム制限がかかっている人は、お刺身など生で食べるよりも、照り焼きやムニエルなどのほうが適しています。
以下に、主な魚の100gあたりのカロリー(エネルギー量)とたんぱく質量をまとめてみました。魚料理を作るとき、食べるときの参考にしてください。
※栄養成分は文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より引用
食品名 |
エネルギー(kcal) |
たんぱく質(g) |
カリウム(mg) |
リン(mg) |
本マグロの赤身 |
125 |
26.4 |
380 |
270 |
本マグロとろ |
344 |
20.1 |
230 |
180 |
カツオ |
114 |
25.8 |
430 |
280 |
うなぎの蒲焼 |
320 |
23.0 |
300 |
300 |
ぶり |
257 |
21.4 |
380 |
130 |
紅鮭 |
133 |
22.3 |
350 |
260 |
アジ |
126 |
19.7 |
360 |
230 |
サバ |
247 |
20.6 |
330 |
240 |
サンマ |
297 |
17.6 |
190 |
220 |
サワラ |
177 |
20.1 |
490 |
220 |
イワシ |
169 |
19.2 |
270 |
230 |
カレイ |
96 |
18 |
320 |
190 |
金目鯛 |
160 |
17.8 |
330 |
490 |
キス |
80 |
18.5 |
340 |
180 |
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