腎臓結石は、腎臓から尿管、膀胱といった尿の通り道で、尿に含まれる成分が固まり石のようになって詰まってしまう病気です。別名は尿路結石とも言います。30代から50代くらいの男性に多い病気だとされていますが、実は女性でも発症することがあり、小さなものも含めると、日本人の10人に1人は罹患するそうです。
腎臓結石と聞くと、脇腹や背中などに激痛が走る病気というイメージが強いですね。実際のところも、そのような要素が強く、疝痛と呼ばれる脇腹の痛みと、血尿、嘔吐などが主な症状です。
結石が大きい場合は痛みが移動することはありませんが、5ミリ以下の小さな結石の場合は尿の流れと一緒に尿管を下り、痛みが下腹部や太ももの付け根のあたりまで移動することがあります。そのまま膀胱まで落ちてしまうと、小さなものなら自然に排出されてしまうことが多いようです。
ただし、大きなものは尿管の途中で止まってしまい、しばらく同じ位置で痛みが続くそう。次第に痛みがなくなる場合もありますが、放置すると尿の流れが完全にストップし、腎臓の働きまで止まってしまうことがあるそうです。
腎臓結石が疑われるような痛みがあったら、症状が無くなったとしても放置せずに泌尿器科を受診しましょう。
結石の主な成分は、シュウ酸カルシウムとリン酸カルシウムだと言われています。これのどちらか、もしくは両方が結合したもので、結石の8割はカルシウムが主成分となっているそうです。カルシウム結石はレントゲンで白く写るので、簡単に診断することができますが、たまに見られるシスチンや尿酸結石などは、レントゲンに写らないことが多く、腎盂造影や超音波エコーなどで診断します。
同様に下腹部や脇腹に激痛が走る病気として、急性虫垂炎や腹膜炎、子宮外妊娠などと混同されることがありますが、腎臓結石は血尿とエックス線検査の結果を複合して診断することができます。
腎臓結石の60%は原因不明だとされています。遺伝的な要素が1~2%程度、ほかに、何らかの病気によって尿の流れが阻害されて起こる場合なども40%程度考えられますが、特に原因が分からないケースも多いとか。何らかのきっかけで、尿の流れを妨げる障害物ができ、そこに尿の中のカルシウム成分が溜まってしまって結石へ成長してしまうようです。
結石の原因となる病気としてよく挙げられるのは、原発性副甲状腺機能亢進症。とても難しい病名ですが、簡単に説明すると、血液中のカルシウム濃度をコントロールするためのホルモンが異常をきたし、カルシウム濃度が高くなってしまうために、結石ができやすくなってしまう病気だそうです。成人に起こる腎臓結石の5%程度はこの病気が原因であると言われています。
結石が見つかったら、まずは痛みを抑える鎮痛剤を処方され、結石を自然に外へ排出できるかどうかを確認。一般的には5ミリ程度までの結石なら、尿と一緒に外へ出てくるのを待ちます。それ以上の大きさの結石なら、衝撃波をあてて結石を小さく砕いて排出する方法を検討するそうです。カルシウム結石以外の、尿酸やシスチン結石の場合は、薬剤で溶かして治療する方法もあります。
結石は、日常的に動物性たんぱくをよく食べている人がかかりやすい病気だとされていて、痛風の症状が出ている人と共通する点がたくさんあります。
結石を作らないようにするためには、普段からプリン体を多く含んでいる牛肉やレバーなどは控え、水分をたくさん摂るように心がけましょう。
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