腎臓病と診断されたときの運動制限について、Q&Aでお答えします。
症状の程度によります。
以前は腎臓病といえば、運動制限が当たり前でしたが、最近では尿たんぱく減少の効果が見られるため、症状に応じて適度な有酸素運動指導がなされる場合もあります。
腎臓には老廃物を取り除く働きがありますが、体の筋肉を使うことにより、クレアチニンや尿素などの老廃物がどんどん溜まるため、運動すればするほど、腎臓は忙しくなります。
また、運動して汗をかくと、体内の水分が急激に失われますので、腎臓は水分調整の働きもしなければなりません。
機能が低下した状態の腎臓にとっては、非常に負担がかかる状態ですので望ましいとはいえません。
個々の症状にもよりますので、必ず医師の指導を受けることが必要です。
ただ、GFR(腎機能を示す指標)を目安に分けられる、慢性腎臓病の進行状況(ステージ1~5)によって次のように考えられています。
GFRは正常範囲なのに、尿中タンパクや微量アルブミンが出ていて腎臓に軽い障害がある段階のステージ1と2では、高度の蛋白尿がない限り、特に運動制限は必要ありません。
GFRが中程度の低下をみせ、夜間頻尿や貧血などの症状が生じてくるステージ3では、糖尿病や高血圧との関連がある場合、特に運動の効果が期待されるので、医師と相談の上、積極的な運動を心がけましょう。
今まで運動習慣がなかった人は、まずウォーキングから始めてみるのがよいでしょう。
むくみなどが全身にあらわれたり、透析や移植が必要となってくるステージ4と5では、腎臓の負担を少しでも軽減するために、過度の運動は制限されてきます。
場合によっては日常生活が制限される場合もあります。
けれど、全く運動しない状態も、体力の低下につながるため良いとはいえません。
必ず医師の指導を受けた上で、自分の症状に見合った定期的な有酸素運動(散歩程度の歩行など)を続けていきましょう。
最近では、透析治療を受けている患者さんに、運動指導を行う場合もあります。
透析治療そのものが生活に大きく影響を及ぼすため、治療と同時に、体力・筋力の低下が進んでしまう傾向があるからです。
症状によっては、有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングや軽度のスポーツが許可される場合もありますので、可能な範囲で積極的に取り入れていくことが望ましいでしょう。
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