体の倦怠感で腎臓病を疑う人は少ないかもしれません。しかし、腎臓病の中には倦怠感の症状を伴う病気もあるのです。こちらでは、倦怠感やだるさが現れる腎臓病の症状についてご紹介していきます。
腎臓病の種類は多々ありますが、ほとんどに共通していえるのが自覚症状が現れにくいということ。そのため、症状が現れたころには病気が進行している可能性もあります。腎臓病が疑われる症状は以下のようなものですので、心当たりがあった人は病院を受診してください。
この中でも尿に関する違和感や異変、むくみなどは腎臓の機能低下を疑うこともできます。一方、倦怠感、疲労感、ちょっとしただるさは、疲れが原因として見過ごされがちです。
しかし、腎臓病が進行している場合、腎臓の機能が低下して老廃物が体から排出されないために、だるさや疲労が蓄積されてしまうこともあります。
腎臓病の自覚症状の1つとして倦怠感やだるさも覚えておきましょう。倦怠感を症状に持つ腎臓病をいくつか取り上げてみます。
腎臓の働きは大きく分けて3つあります。
腎臓の中にはネフロン(糸球体と尿細管)とよばれる血液のろ過装置があり、1日に約150リットルもの血液をろ過しています。老廃物や毒素を体から取り除く働きと、体に必要なものを再吸収して体内に留める働きをしており、私たちの体内で重要な役目を負っている臓器です。
腎臓の機能が低下し、働きが悪くなると老廃物や毒素がろ過されずに体に蓄積し、さまざまな病気を引き起こします。
腎臓病が進行し、腎臓の機能が低下した状態を腎不全といいます。腎不全が進んでしまうと尿毒症という状態になり、
などのさまざまな症状が体中に現れます。尿毒症は腎臓機能の低下によって起きた上記のような症状、症候群の総称です。尿毒症の状態を放置してしまうと、意識障害やけいれん、心不全など生命に関わるような深刻な状態にまで陥る可能性があります。
腎臓は赤血球をつくる働きを促進する造血ホルモン・エリスロポエチンを分泌します。しかし、腎臓の機能が低下すると腎臓からのエリスロポエチンの分泌量が減り、赤血球をつくることができなくなるため貧血が進行していきます。このような貧血を腎性貧血といいます。
腎性貧血の主な症状は、疲れやすい、動悸、息切れ、めまい、倦怠感などの症状です。しかし、腎性貧血は徐々に進行していくので、患者さん自身がその症状に慣れてしまい、気づくのが遅くなる場合が多くあります。
慢性的な貧血状態では全身が酸素不足になっているため、心臓に負担がかかっている状態でもあります。
腎硬化症は、高血圧によって腎臓の血管に動脈硬化が起きて腎臓に障害が起きる病気です。良性と悪性のものがあります。
良性の場合は自覚症状がないことが多く、夜間の尿の量が多くなるなどの違和感で気づく場合もあります。そのままにしてしまうと慢性状態になる可能性もあるので早期の治療が必要です。
悪性の場合は腎機能が急激に悪化することもあり、高度の尿たんぱくと血尿、頭痛、吐き気、視力低下、全身の倦怠感などが症状として現れます。さらに、心不全になる恐れもあるため、重症の場合は血圧を下げなくてはなりません。
腎臓病は生活習慣と深く関わっているため、次のような人は腎機能が低下しやすいタイプといえるでしょう。
特にメタボリック症候群(肥満、脂質異常症、高血圧、耐糖能障害、糖尿病)が原因とされる生活習慣病を患っている方は、腎機能が低下しやすいといわれています。
当てはまっているようなら、不健康な食生活や不規則な生活習慣を改善していく必要があるでしょう。もちろん、気になる症状があれば医療機関を受診してください。
また、次のようなものに当てはまる人は、腎臓病になりやすいと考えられるので注意しましょう。
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