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腎臓病の食事療法でエネルギーアップするためのコツを教えて

腎臓病の食事療法では一日に必要な摂取エネルギー量を確保することが重要です。たんぱく質の制限によってどうしても摂取カロリーが減ってしまうという問題をどうすればクリアできるのか、エネルギーアップのコツについてQ&Aでお答えします。

腎臓病の食事療法でエネルギーアップするためのコツとは?

食事療法でエネルギーを減らさないためにはどうすればよいですか?

たんぱく質の摂取量が制限される腎臓病の食事は、「たんぱく質量を減らすことで、1日に摂取できるエネルギー量も減ってしまう」傾向があります。塩分や、カリウム、リンなど制限しなければならない成分も多く、献立のバリエーションが減って食が進まなくなることも、摂取エネルギーが低下する一因となっています。

腎臓病の食事療法では、1日の摂取エネルギーを十分にとることが何よりも大切です。エネルギーが足りなくなると、体はそれを補うために、筋肉など体内のたんぱく質を分解してエネルギーを作りだそうとします。その結果、たんぱく質をたくさん食べたことと同じ状態になり、腎臓に余計な負担をかけることになってしまうからです。

食事療法でエネルギーを減らさないためのコツは以下の3つです。

  • 糖質・油脂を活用しよう
  • ダイエットでは目の敵にされる糖質・油脂も、腎臓病にとっては心強い味方。砂糖や油脂類はたんぱく質をほとんど含まないため、効率よくエネルギーを摂取することができます。片栗粉、はるさめ、マロニーなどのでんぷん製品は、食事のかさを増し食後の満足感を得られるので活用したい食材です。

  • 調理法を変えよう
  • 同じ食材を使っても、ムニエルにする、揚げる、小さく切るなど、調理法を変えることでも食事をエネルギーアップすることができます。さらに、調理法が変われば食べた印象も変わり、また食が進むようになるという利点も。マヨネーズやドレッシング類は少量で高いカロリーを得ることができるので上手に使いましょう。

  • 治療用特殊食品を利用しよう
  • 食事療法用に作られた、治療用特殊食品(低たんぱく質食品・高エネルギー食品など)を利用することで、低たんぱく&高カロリーな食事を楽に作ることができます。特に主食を低たんぱく質食品に置き換えると、エネルギーを十分に確保しながらたんぱく質を減らせるのでおすすめです。

治療用特殊食品にはどういったものがありますか?

大手食品メーカーや医薬品メーカーから、さまざまな治療用特殊食品が販売されています。一食分をパックにしたレトルト食品、調味料、オイルパウダー、デザートなど、種類も豊富。自分の食事のスタイルに合わせて自由に選ぶことができるのです。通信販売でも手に入れることができるので、困ったときはこうした食品を活用しながら、食事療法を進めてみてはいかがでしょうか。

【腎臓病の食事療法に使われるおもな治療用特殊食品】

  • 低たんぱく質食品
  • 主食と副食があります。主食はパックご飯、副食は一食分がレトルトパックになっているものが主流です。普通のご飯に比べてたんぱく質を1/35まで減らした「低たんぱくご飯」は、主食を減らさずエネルギーを確保できるので、食事療法の大きな助けになるでしょう。

  • エネルギー調整食品
  • 普通の油にくらべ消化吸収にすぐれ、効率よくエネルギーを摂取することのできるMCT(中鎖脂肪酸)オイルや、でんぷんから作られた甘みの少ない糖分(低甘味ブドウ糖重合体)を使った甘味料(粉飴とよばれるものが有名)、およびそれらを使ったデザート類が人気です。MCTオイルは粉末タイプもあります。味にくせがなく、脂っこさを感じないので、料理や飲み物に混ぜてエネルギーを補給することができる便利なアイテムです。

  • 塩分調整食品、低リン・低カリウム食品
  • エネルギーアップには直接関係ありませんが、食事制限の厳しい患者さん向けに、各種減塩調味料や、低リンミルク、低カリウム野菜などが販売されています。

治療用特殊食品はどこで入手できますか?

百貨店の健康・介護関連フロアなどでも販売していますが、低たんぱくごはんや調味料、オイルなど重いものが多いので、ネットの通信販売を活用するとよいでしょう。以下にたんぱく制限食や

【治療用特殊食品を扱っているおすすめサイト】

  • 日清オイリオ オンラインショップ
  • 日清オイリオのオンラインショップ。MCTオイル&パウダーを買うならここがおすすめ。オイルもパウダーもサイズごとに用意されていて、使いやすい量を選べるのがうれしい。13gの分包は外食中にも使いやすい。プリン、ゼリー、ジュース、ビスケットなど、MCTを使ったデザート類もバラエティ豊か。「サトウの低たんぱくごはん」「マルちゃんの塩分少なめカップ麺」などの主食系食品や、低塩分、低リン・カリウムの調味料なども揃っている。

    ◆日清オイリオ オンラインショップ たんぱく質・塩分調整食品
    https://shop.nisshin.oilliogroup.com/products/list.php?category_id=1

  • キッセイヘルスケアネットショップ
  • 消費者庁から特別用途食品として認可された低たんぱくご飯「ゆめごはん」で知られる、キッセイ薬品工業株式会社のオンラインショップ。「ゆめごはん」はたんぱく質量の違う4種類を用意。パックご飯だけでなく、お米そのものも販売している。MTCを使った「マクトンオイル」「マクトンパウダー」や粉飴などの調理素材も購入可。1つでエネルギー150kclとカルシウム100mgが摂れるエネルギー補助ゼリー「アガロリー」は、たんぱく質、リン、カルシウムをほとんど含まず、安心して栄養を補給することができる。

    ◆キッセイヘルスケア ネットショップ
    https://healthcare.kissei.co.jp/

  • ニチレイフーズダイレクト
  • ニチレイフーズのオンラインショップ。キッセイ薬品工業の「ゆめごはん」とニチレイフーズのおかずを組み合わせた冷食弁当や、キユーピーのヘルスケア加工食品「ジャネフシリーズ」の低たんぱく食など、加工食品を中心に扱っている。1週間分のおかずをまとめて届けてくれる「健康を考える大人の食事」シリーズなどもある。調理素材は少なめ。自炊が苦手な方や時間のない方はこちらを。

    ◆ニチレイフーズダイレクト たんぱく質調整食品
    http://wellness.nichirei.co.jp/shop/c/c2030/

  • ジンゾウ先生のオトクッキングクラブ
  • 「でんぷん製品」を活用することで腎臓への負担を減らす、というコンセプトで食事療法のレシピを紹介しているオトコーポレーションの公式サイト。トップからオンラインショップにすぐ飛べる。でんぷん米、でんぷんパスタなど、でんぷんを使った補助食品だけでなく、でんぷんパンミックス、でんぷんホットケーキミックスといった代替食品も多数扱う。レシピサイトとオンラインショップが直結しているので使いやすい。

    ◆ジンゾウ先生のオトクッキングクラブ
    http://oto-corp.com/

  • 特殊食品の店 ネフロン
  • 腎臓病治療研究の大家で、「腎疾患患者の食事療法手引き」(日本腎臓学会発行)の筆頭執筆者として知られる椎貝達夫医師が監修する、治療用特殊食品のオンラインショップ。低たんぱく食品、エネルギー調整食品を始めとする、腎臓病の食事療法に役立つ特殊食品がずらりと並ぶ。豊富な品揃えが特徴で、低カリウムレタス、低カリウムメロンといった生鮮食品などの取り扱いもある。食事は手作りしたいという人におすすめしたいサイト。

    ◆腎臓病 腎不全の特殊食品の店ネフロン
    http://www.nephron.co.jp/

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