在宅透析とは、施設と同様の透析機器を自宅に設置し、医師の管理のもと患者さん自身、または介助者とともに自宅で血液透析治療を行う方法です。
通院の必要がなく自由な時間に透析治療を行うことができるため、長時間透析やオーバーナイト透析、頻回透析など治療を実施できる施設が限られている方法も、行うことが可能となっています。
それでは、そんな在宅透析を行うことでのメリットとデメリットについて、ご紹介していきましょう。
自宅で血液透析を実施する、在宅透析を行うことで得られるメリットには、下記のようなものが挙げられています。
透析による効果を上げるには、十分な時間をかけて緩徐でしっかりと透析を行う必要があります。ですが通院透析では、原則として月に14回までと回数が決められていることと、長時間透析などは限られた施設でしか受けられない、といった問題が出てきます。
しかし在宅透析の場合、自宅で行うため自由な時間に透析を行うことが可能なため、回数もこまめに行うことができ、かつ長時間透析やオーバーナイト透析なども取り入れやすく、それが最大のメリットとなっています。
このように十分な透析が行いやすいため、一般的な血液透析を通院で行っている人に比べて、透析による合併症の改善や、生命予後が向上していることが報告されています。
在宅透析では、自宅で好きな時間に透析治療が行えるというのも、この方法の大きなメリットと言えます。日常生活のスケジュールに透析治療を合わせることができるので、通院で透析を行っている人と比較して社会復帰率が高いそうです。
また、通院の負担も大幅に軽減し、家族や友人との時間を持ちやすいということも、QOL(生活の質)の向上につながっています。
在宅透析を行う上でのデメリットとしては、下記のようなものが挙げられています。
在宅透析は、病院施設と違い自宅で透析治療を行うため、常に医療スタッフがそばにいるわけではありません。そのため、透析時に何か緊急事態が起こったとしても、その対応が遅れてしまう危険性があることが、在宅透析の最大のデメリットと言えるでしょう。
在宅透析では、透析治療を患者さん自身であったり介助者の方が行うため、機器の扱い方や自己穿刺など透析を行う上での知識や技術の習得が必須になります。また、透析の実施に携わらないご家族の方にも、透析を行うことについての理解を得ることも、大切であるとされています。
在宅透析を行うには、自宅に透析治療が行えるスペースを確保し、透析機器を設置しなければなりません。その際、透析機器設置に関わる準備費用や、血液透析開始後にかかる水道・光熱費といった費用は、すべて自己負担となることも、デメリットの一つとされています。
在宅透析を行うには、しっかりと自己管理ができ介助者(家族など)の協力が得られる、というのが大前提とされています。そのため、在宅透析には以下のような適応条件が基準として定められています。
施設の透析は、溜まった毒素を週3回抜くがダルさは抜けなかった。中2日開けると本当に辛かった。在宅血液透析を始めたら、比べ物にならないくらい体調が良くなった。施設透析時には、それが普通だと思っていたが、毒素が抜けきっていない悪い状態に慣れてしまっていただけだったみたいです。
※出典・https://frontier-tokyo.jp/medical/medical03.html
※体験談はあくまでもひとつのケースであり、個人によって効果や状態は異なります。
<参考文献>
日本腎臓学会発作成の診療ガイドライン
https://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php
透析治療ガイドライン
https://www.jsdt.or.jp/dialysis/2094.html
(日本透析医会)在宅血液透析管理マニュアル
http://www.touseki-ikai.or.jp/htm/07_manual/doc/20100226_zaitaku_touseki.pdf
東京女子医科大学病院 腎臓病総合医療センター公式サイト(血液透析と腹膜透析の比較)
http://www.twmu.ac.jp/NEP/hukumaku-toseki.html