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腎臓病の治療法をわかりやすく解説

透析

腎臓病の初期症状を自覚するようになったら、腎臓内科や泌尿器科で血液検査と尿検査を受けるべきだとお話ししてきました。そして、もしも腎臓病と診断されたらどのような治療を受けることになるのでしょうか。

 

治療は腎臓病の種類によってかわる

ひとことで腎臓病といっても、ネフローゼ症候群や糸球体腎炎、IgA腎症、糖尿病性腎症、痛風腎などいくつかの種類やタイプによって治療法は違ってきます。同じ腎臓病でも急性期と慢性期とでは初期の対処方法が異なります。

入院治療をするかしないかの差はありますが、腎疾患の治療の基本は食事療法薬物療法です。慢性腎不全と診断されたら、腎臓の機能が正常まで回復することはないと考え、食事や投薬によってできるだけ機能低下を食い止めるような治療法をとります。腎不全保存といって、「これ以上腎機能の低下が進まないように予防・温存する」というのが治療の基本です。

一方、症状が悪化してしまい腎臓がほとんど機能しなくなった末期腎不全の場合は、腎代替療法として人工透析療法が採用されますが、あくまで対症療法。根治させる治療法は、腎臓移植という最終手段を選択するしかありません。重度心身障害者医療費助成制度などを活用すれば費用の自己負担は軽減されますが、腎移植が受けられる目安となっている年齢は70歳くらいまでとされていますので、高齢者はなかなか腎移植が難しいという現実もあるようです。

がまん強い腎臓のために

いずれにせよ、腎臓はがまん強い臓器であるため、症状が出るのはかなり病状が進んでいるケースが少なくありません。

完全な予防は難しいのですが、普段から腎臓にストレスをかけない生活を心がけることが大切。喫煙、飲酒、運動不足、不規則な生活、ストレスの強い仕事、糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病…。これらすべてが腎臓と結びつき、徐々に腎機能の低下を呼び込んでしまう原因となります

まず腎臓をいたわるようなライフスタイルの実現を目指さなければ、間違いなく腎機能は低下していくことでしょう。なかでも食習慣に関する見直しは必至です。

自覚症状があるだけでまだ病院に行っていない人であれば、今後どのような治療を受けなければいけないのか、わからないことだらけで不安だと思います。そこでそんな人のために急性腎不全の治療法の違いや食事療法、薬物療法をはじめとする治療法について調べてみました。自己診断は禁物ですが、病気に対する理解と治療法に関する基礎知識を得ておけば、診断結果を聞くときに少しは役立つのではないかと思います。

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私たち「食と腎臓病を考える会について」

私たち「食と腎臓病を考える会について」

私たち《食と腎臓病について考える会》は、腎臓病と診断されたご本人やご家族、腎機能に不安を抱えている方、漠然と健康に不安を感じているみなさんとともに、腎臓病と食事療法について考えるために立ち上げた組織です。

腎臓病と診断されると、食生活に非常に細かい関心を払わなくてはならなくなります。好きなものが食べられなくなったりすると、非常にストレスに感じることでしょう

食は命を支えるものであり、生活の中で重要な位置を占めているものです。

"医食同源"という言葉があるように、食生活によって今以上に病状を悪化させないためにも、正しい食事療法のありかたについて知っていただきたいと考えています。

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急性腎不全と慢性腎不全で異なる治療法

腎不全には急性腎不全と慢性腎不全の2種類があり、それぞれ治療法や対処法は異なるものです。

急性腎不全は「原因を取り除くことで完治する可能性がある」症状を指し、慢性腎不全は「完治する可能性を持たない」症状を表します。

急性腎不全の治療法は、投薬治療と食事療法が基本です。ただし症状によっては一時的に透析を行なう場合もあります。前述のように急性腎不全は、原因となる要素がなくなれば治る可能性が十分あるので、とにかく早期治療に取り組むことが肝心です

一方、慢性腎不全は進行性の病気であり、全快することはありません。現状維持と合併症予防が対処法となります。具体的には、日常的な薬物療法や食事制限、安静療法などでケアしていき、今以上悪くならないように常に気を配る必要があるのです。

急性腎不全と慢性腎不全で異なる治療法

腎臓病の食事療法 急性と慢性でどう違う?

急性腎不全は、腎臓の機能が外的要因によって急激に悪化する病気です。

しかし、正しく治療が行なわれれば腎臓の機能が回復する可能性もあります。急性期と回復期では制限されるたんぱく質や食塩の量が異なりますが、高齢者や肥満の人は食事療法において摂取エネルギー量を減らす必要があります

急性腎不全の患者にとって、食事療法はもっとも重要度の高い治療です。急性期患者用のガイドラインに沿って、総エネルギー量やたんぱく質量、塩分量、場合によりカリウム量を制限することになります。

慢性腎不全の場合、どのような治療をしても完全に腎臓病が治るということはありませんが、薬物療法や食事療法によって、これ以上腎臓の機能が低下しないように維持したり、低下するスピードを遅らせたりすることができます

食事療法においては、たんぱく質や塩分、カリウムやリンなどの摂取量を病状に合わせて調整することが大切です。

腎臓病の食事療法 急性と慢性でどう違う

薬物療法

慢性腎不全では、食事療法と並行して薬物療法を行います。

慢性腎不全で処方される薬は、腎臓の負担を軽減して機能低下を遅らせたり、腎臓の働きが弱くなることに起因する合併症や体の不調を軽減することを目的として処方されます。

慢性腎不全は高血圧を伴う場合が多く、高血圧は脳血管障害や心疾患など重大な疾患の原因ともなります。そこで、慢性腎不全に対する薬物療法の中で最も重視されるのが、血圧を下げる作用のある薬です。

「アンジオテンシン変換酵素阻害薬」や「アンジオテンシン受容体拮抗薬」と言われる薬は、血圧を下げると同時に腎臓の機能を助ける作用もあるので、よく用いられるようです。

腎臓の働きが弱まると、リンやカリウムの排出量が低下して高リン血症や高カリウム血症も発症することがあります。そのため、リン吸着薬としておもに「炭酸カルシウム」、カリウム吸着薬としておもに「カリメート」や「ケイキサレート」という薬が用いられるようです。

薬物療法

人工透析

慢性腎不全によって腎臓の機能が低下し、自らの力では生命活動を維持できないと医師が判断した場合は、食事や薬物治療に加えて透析療法を始めることになります。

具体的には、クレアチニン8㎎/dl以上、尿素窒素100㎎/dl以上という数字を超える数値が出た場合は、透析療法へと移行します。[注1]

腎不全における透析療法には「血液透析」「腹膜透析」の2種類があります。

血液透析とは、体内の血液をいったん外に出し、ダイアライザーという装置を通すことで血液中の不要物や余分な水分を取り除く治療を言います。日本では最も普及している透析方法で、人工透析というとこの事をイメージされる方が多いでしょう。

腹膜透析は、自宅でも行える透析方法として腎不全の患者さんのひとつの選択肢となっています。

腹腔透析は、手術によっておへその脇に穴を開けて腹腔という場所へカテーテルを通し、そこから透析液を腹腔に溜めることで、体の中の老廃物を透析液へと移動させて体外へ排出する方法。

通院が少なくて済むのが利点ですが、腹膜は使い続けるうちに機能が落ちてくると言われていて、腹膜透析が行えるのは長くても7年程度。いずれは血液透析へと移行する点がデメリットです。血液透析に比べるとまだ普及していないので、治療が行える病院が少ないというのも難点です。

人工透析

[注1]一般社団法人全国腎臓病協議会:検査方法について
http://www.zjk.or.jp/kidney-disease/inspection-method/index.html

腎臓移植

著しく機能が低下した腎不全に対する治療法としては、腎臓移植という方法もあります。

腎臓移植は、文字通り自分の体の中へ他人の腎臓を埋め込む方法。機能を失った腎臓を取り出し、その替わりに健康な腎臓が働いてくれるようになるので、慢性腎不全において全快を叶えることのできる唯一の方法とも言えます。

ただし、大きなデメリットもあります。身体が新しい腎臓を異物と認識して、強烈な拒絶反応を起こすことです。

新しい腎臓を上手く働かせるためには、拒絶反応をいかに抑えるかが重要なポイント。拒絶反応を予防するために、手術後は免疫抑制剤を使用します。

カルシニューリン阻害薬である「シクロスポリン」や「タクロリムス」といった薬に、様々な薬を組み合わせて毎日服用します。

腎臓移植

急性腎不全と慢性腎不全で異なる治療法

急性腎疾患は、原因を取り除く治療を行うことで完治する可能性がありますが、慢性腎疾患は完治する見込みが低いため、それ以上機能が低下しないよう現状維持を目指す治療方法がとられています。それぞれを分かりやすくご紹介いたします。

腎臓病の食事療法 急性と慢性でどう違う?

急性の腎臓病の場合は入院するケースが多く、その場合は病院管理のもとで食事療法が行われます。

一方、慢性の場合は現状維持を目指す治療法となり、食事療法は生涯続けていく必要があります。正しい知識と5つの重要ポイントを覚えておきましょう。

薬物療法

慢性の腎臓病における治療法は、食事療法と併せて薬物療法が一般的です

血圧を下げる効果のある薬、尿毒症を予防する薬、貧血を防ぐ効果のある薬、リン吸着薬・カリウム吸着薬など、予防と現状維持を目指した治療薬が処方されます。

人工透析

人工透析へと移行する基準は、血液中の毒素とされるクレアチニンが8㎎/dl以上、尿素窒素が100㎎/dl以上という値が一般的で、これは医師の判断によって行われます。

血液透析と腹膜透析の二種類がありますが、長期間続けることになるため知識と注意が必要です

腎臓移植

腎臓移植は低下してしまった腎臓機能をもとの状態まで回復させることができる唯一の方法です

生体腎移植と献腎移植の二種類がありますが、拒絶反応をどう抑えるか重要なポイントです。

管理栄養士・健康運動指導士
宮澤かおるさん

病院で管理栄養士をしていた宮澤さんに、自宅で簡単にできるおいしい腎臓病レシピをおしえてもらいました。

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