これまでご紹介してきた腎臓病のほかにも、続発性腎疾患である痛風腎、腎硬化症、
40代から60代の中年男性に多く見られる痛風と、ほぼ同じ原因で起こる腎疾患のことを痛風腎と呼びます。
痛風は、血中の尿酸値が高くなることで血液に溶けきれなかった尿酸が結晶化し、足の親指の付け根の関節などに付着してしまうことで激痛が走る病気。これと同じことが腎臓で起きるのが痛風腎というわけです。さらに、痛風腎を発症している方は、腎臓結石を抱えているケースが多いようです。
痛風腎を発症すると、慢性間質性腎炎と同じような症状が出ることがあり、糸球体にはあまり影響がないため、尿タンパクが出にくいのが特徴。尿検査で分かりにくいのですが、そのまま放っておいて進行すると慢性腎不全の原因となってしまうこともあります。
良く耳にするプリン体という物質が体内で代謝されて作られる老廃物が尿酸なので、この病気を予防するには、プリン体を多く含む食材をできるだけ控えることが大切です。プリン体は、お肉や魚、干物などのほか、ビールなどのアルコールにも多く含まれると言われています。遺伝的に痛風になりやすい体質の人、というのもいらっしゃるようなので、気になる方はご自身のご両親などを確認してみるとよいでしょう。
高血圧の状態が長年続くことで、全身の血管が動脈硬化を起こし、様々な器官に影響を与えてしまいます。腎硬化症もそのひとつで、血管の数が多い腎臓で動脈硬化を起こしてしまうことで血流が阻害され、腎機能が低下してしまう病気です。
比較的若い人の中でも見られるのですが、最低血圧が130mmHg以上の状態が続いていると、脳卒中や心不全の危険性が高いため、薬物療法などで強力に血圧を下げる処置が行われます。急激に血圧を下げる効果が高いので死に至ることは免れますが、腎不全の原因となってしまうのです。
高血圧と腎臓病とはとても関係が深いと言われています。
血圧が高すぎるときには、腎臓は自らを守るために血管を収縮させて血圧を下げようと作用します。しかし、これによって腎臓の血流量が下がると、今度は血圧を上げるためのホルモンが腎臓から分泌されてしまい、高血圧と腎機能低下の悪循環へと陥ってしまうのです。
水腎症は、腎臓で尿が作られた後、尿路の間で何らかの障害があって尿がせき止められ、腎臓に尿が溜まってしまう病気です。先天的に尿管などが狭窄(尿管が狭くなる)して尿路閉塞を起こしている場合は、小さな子どもでも水腎症を発症してしまうことがあります。
閉塞の度合いは様々なので、尿路のつまりが酷い場合は腎臓がボールのようにパンパンに膨らんでしまうケースもありますし、腎臓がほとんど拡張していない軽症のタイプもあります。
腎臓が張っている状態の時は、腎臓結石と同様に強い痛みがある点が特徴。尿が溜まっている状態だと、尿路感染を起こす可能性も高く、感染症によって発熱することもあります。
治療は経過観察が基本。抗生剤で感染症を予防したりしながら、慎重に腎臓の様子を見て、改善がみられない場合は外科手術によって尿路閉塞を取り除く治療が行なわれることもあるそうです。
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