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腎臓病食にも活用したい、カラダにやさしい食材とは?

健康であるということは、すなわちいろいろな食材をおいしくいただける、ということでもあります。腎臓病や生活習慣病と診断されてもじつは「食べられない食材などない」のですが、1日に摂る量については病状や症状により制限されていきます。

いろいろなサイトで「腎臓にいい」「腎臓にやさしい」食品や食材について書かれているものがありますが、結論から言うと「腎臓病によい食材についてまだよくわかっていない」というのが事実です。

ただ、たとえ慢性腎臓病と診断される前でも、歳を重ねた腎臓の機能は間違いなく低下傾向にあります。腎臓の機能をサポートする可能性のある食材や栄養成分を上手に活用して、腎臓へのストレスを減らし、できるだけ正常な腎機能を維持できるようにしたいものです。

そこでここでは腎臓病食にも活用したい、カラダにやさしい食材について調べてみました。ただし慢性腎臓病のステージによりたんぱく質制限や塩分・カリウム・リンなどの制限量が異なりますので、カラダにいいからといって大量に摂取をしないように注意してください。

腎臓の食事療法にも活用したい、カラダにやさしい食材とは

腎臓病にはどのような食べ物がいいの?

腎臓の負担を減らすという意味で、よい栄養素として挙げられるのが血中尿素を減少させる食物繊維や利尿作用のあるカリウム、血流を改善するためのEPA、リンと結合して骨を形成するカルシウム、カルシウムの吸収を高めるビタミンDなど。ただし、これらの成分を含む食べ物をたくさん食べていい、ということではありません。

たとえば、小魚や乳製品にはカルシウムが豊富に含まれていますが、同時にたんぱく質やリンも多く含まれています。野菜類には食物繊維が多く含まれますが、生の野菜にはカリウムが多く含まれます。バランスよく偏りのない食生活を送ることが、あらゆる病気の予防につながります。

腎臓病にいい食品や食材ということではありませんが、「腎臓病などの生活習慣病にならないように普段から積極的に摂りたい食品」として認知されている食材とその食材に含まれる栄養素、そしてどのような作用が期待できるか調べました。くどいようですが、野菜やきのこ類などにもたんぱく質は含まれますので、腎臓病食でたんぱく質の摂取量が制限されている場合には担当医や病院の管理栄養士のアドバイスに従ってください。

カラダにやさしいとされている食品一覧

各食材に含まれる成分と、期待できる作用について説明していきます。

しいたけ、マッシュルーム

しいたけとマッシュルームに含まれるエリタデニンという成分は、血中コレステロールの排泄や血圧調整作用が期待できる成分として知られています。生活習慣病全般の予防や改善に取り上げられることの多いしいたけには、マッシュルームのおよそ100倍のエリタデニンが含まれます。

また干ししいたけは生のしいたけよりもさらに栄養価が高く健康効果の高い食材であるといえますが、たんぱく質がしいたけ36g(Mサイズ3個)に1.08g含まれています。計算時に忘れないようにしましょう。

とうもろこし

とうもろこしには利尿作用があることから、中国では慢性腎炎や尿路結石の患者に乾燥とうもろこしを煎じて飲ませているところもあるようです。また「とうもろこしのヒゲ茶」などで尿量が増えむくみが解消するという説もあります。

とうもろこしは野菜というイメージが強いですが、成分の多くは炭水化物で分類上はお米などと同じ穀物。ですから、煎じて飲むお茶は問題ありませんが、糖質制限のあるかたは注意が必要です。さらにとうもろこし1本にたんぱく質が5.4gも含まれますので、食べる量には気をつけなければいけません。

はと麦

はと麦茶として摂取することで、デトックス作用があることで知られていますが、その作用機序については諸説あるようです。ただ水分制限がなく排尿に大きな問題がなければ飲んでも大丈夫。

カフェインやカリウムとは異なる働きをするようで、腎機能だけでなく体内の老廃物を排出する作用が期待できますので、摂りすぎに注意しながら摂取するとよいでしょう。

「梅は三毒を断つ」という言葉があるくらいに、解毒や代謝機能を正常化する作用があり、腎機能の低下によって排出しきれずに溜まってしまった毒素の排泄を促す作用が期待できます。ただしすでに慢性腎臓病と診断され食事療法が必要な人は、ナトリウム(塩分)制限が必要になりますので、減塩の梅か無塩の梅を摂るようにしましょう。

梅肉エキスには梅干の30倍の効果があるとされていますので、梅干ではなく塩分の心配がない食材を選ぶと安心。練り梅などの調理梅には大量のナトリウムが含まれますので、調味料などとして使わないほうが無難です。

小豆

ビタミンB1とB2が多く含まれている小豆には、血液をきれいにする作用や利用を促す働きがあるとされています。さらに老廃物の排泄にも効果があるとされていますので、腎臓病の予防にもひと役買ってくれそうな食材です。

昔から尿の出が悪かったり、手足がむくんだりしたときに小豆の煮汁を飲ませるといった民間療法もあるほど万能な小豆。比較的低たんぱくで一定のエネルギー量も確保できるため、間食にゆで小豆を活用してもよいでしょう。

魚介類や海藻類

多くの魚介類や海藻類は腎臓に良いとされていますが、特に腎機能の改善に「オルチニン」を含むしじみの効果を期待したサプリメントなどもあるようです。ビタミン、ミネラル、腎臓への負担が少ない良質なたんぱく質など多くの栄養素を含んでいる食材です。ただしたんぱく質制限により一食で摂取できるたんぱく質量をオーバーしないように気をつけて。

高脂血症や高血圧の合併症があるかたは、血液の質を改善する成分といわれるEPAが多く含まれるまぐろやさば、いわし、ぶり、さんま、かつお、うなぎなど、たんぱく質の上限摂取量を守りつつ摂取するとよいでしょう。ひじきや昆布などの海藻類もデトックス効果があるとされています。

肉類

鉄分などを多く含む動物性のたんぱく質は非常に質の高いたんぱく質で、栄養価を示す指標である「アミノ酸スコア」(必須アミノ酸の必要量が満たされているかどうかで算出される数値)も100と最高の数値。カラダづくりには必要不可欠な食材のひとつです。

肥満症や高血圧など腎臓病以外の生活習慣病が疑われる人は、和牛よりも輸入牛のほうが脂質も少なくヘルシーですし、鶏肉や牛の赤身などは高たんぱくで低カロリーなのでダイエットにはおすすめです。ただし腎臓病食で肉類を使う場合は、豚バラ肉などの脂身付きの肉のような低たんぱく、高カロリーの肉を選んで「お肉を食べた」という満足感を得られるように工夫してみましょう。

大根

アルカリ性食品である大根には、酸性の尿酸を排泄しやすくする作用が期待できます。尿酸値が気になる人は、積極的に食べたい食品のひとつです。大根のように尿酸をアルカリ化する食品のことを「尿アルカリ化食品」といい、海藻類や豆類、一部の野菜や果物などもあります。

山芋

豊富な栄養素が含まれている山芋や自然薯には、腎臓にやさしいとされるネバネバ成分、ムチンが多く含まれています。利尿作用を促すとされているため、疲れてきた腎臓の負担を軽減する効果が期待できる食材です。山芋より自然薯のほうがムチンが多く含んでいます。

抗酸化性のあるビタミンCやカリウムの含有量が多く、余分なナトリウムの排出、体内の水分のバランス調整などのデトックス作用が期待できます。

リンゴ

他の果物と比べても、カリウムやカルシウム、鉄、食物繊維、ビタミンCなどの成分が多く含まれています。クエン酸、リンゴ酸など、腎臓の働きを促進してくれそうです。「一日一個のりんごは医者知らず」ということわざもあるほど、栄養価の高い食品であることは間違いありません。

ペポカボチャの種子

ペポカボチャは日本では「西洋かぼちゃ」と言われ、ハロウィンなどで使用されているかぼちゃ。ペポカボチャの種子には、腎臓病によっておこる頻尿、残尿感、尿失禁などの症状に有効な成分が含まれているようです。

クコの実

クコの実には「ポリフェノール」、「ビタミンC」、「ゼアキサンチン」などの成分が含まれ、これら成分には抗酸化作用があります。腎臓とは関係がなさそうですが、体の老化を防ぐことで腎臓の老化を守ることにもつながるでしょう。

その他

腎臓の機能を強くするために必要な食物繊維・たんぱく質を含む、キャベツ・ごま・イモ類・にんにく。さらに利尿作用がある、ほうれん草・すいかなどが腎臓によいといわれています。

利尿作用がある食材に多く含まれるカリウムには塩分の過剰摂取によるむくみを軽減し、毒素を排泄する作用があります。ただ慢性腎臓病と診断され、カリウムが制限された場合には、ここで取り上げた食材の中にも摂取量に気をつけなければいけないものも出てきます。

何度も繰り返すようですが、健康にいい、腎臓にやさしい、ダイエット効果がある・・・という言葉に踊らされて、同じ食材や食品ばかりを摂るのはおすすめできません。あくまでバランスよく、ひと目でカラフルな献立になるように気をつけていけば、腎臓病だけでなくさまざまな生活習慣病の予防につながります。

このことを忘れずに、調理法や摂取量など工夫しながら腎臓に優しい食習慣を身につけていきましょう。

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病院で管理栄養士をしていた宮澤さんに、自宅で簡単にできるおいしい腎臓病レシピをおしえてもらいました。

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