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腎臓病食品交換表の使い方について教えてください

腎臓病の食事で大変なのは、なんといってもたんぱく質と塩分の制限ですよね? 外食が多く食事管理が難しいという人に活用いただきたい「腎臓病食事交換表」の活用法についてQ&Aでお答えします。

腎臓病食品交換表の使い方について

腎臓病食品交換表とはどのようなものですか?

食事療法を行う場合、医師から指示されたたんぱく質、塩分、カロリーなどの制限量に応じた食事を摂ることになりますが、そのときの栄養計算や献立作りに役立つ大変便利なアイテムが、この腎臓病食品交換表です。

腎臓病食品交換表とは、ひと言でいうと、食材に含まれるたんぱく質の量やカロリーを計算するために作られた栄養成分の一覧表です。市販されているさまざまな食材を、「主食」「野菜」「肉・魚」といった7つのグループにわけ、食材ごとに「たんぱく質3gを摂取するために必要な分量」、カロリー、塩分量などを表示しています。

この腎臓病食品交換表を使えば、「どの食材にどれくらいの量のたんぱく質が含まれているか」を簡単にチェックことができるので、慢性腎臓病などで食事療法が必須なかたは必携です。

最新刊は 『腎臓病食品交換表第9版 治療食の基準』(医歯薬出版株式会社 黒川清監修/中尾俊之・小沢尚・酒井謙編著/1,620円)

書店はもちろんのことネットでも購入可能です。

糖尿病食品交換表と腎臓病食品交換表はどう違うの?

「食品交換表」という名前から、おそらく多くの方が「80kcal=1単位」に換算してカロリー計算をする、糖尿病用の食品交換表を思い浮かべるのではないでしょうか。糖尿病用の食品交換表は、糖尿病の患者さんだけでなく、若い女性のあいだでも「ダイエットのバイブル」として広く知られていますよね。

腎臓病食品交換表はその腎臓病版です。食事療法を行なう腎臓病患者さんのためのバイブルともいえる存在で、カロリー(エネルギー量)ではなくたんぱく質を基準に食材の量を計算し、一覧表にしています。

「たんぱく質3g=1単位」とし、単位あたりの食材の量が一目でわかるようになっているため、1日に決められたたんぱく質制限量まで、どのような食材を組み合わせればよいか、簡単に計算することができるのです。

苦手な食材を好きな食材に変更したり、かさの多い食材に変えたり、1単位ごとなら自由に「交換」できるので、外食のときなどにもとても役立ちますし、便利な一冊です。

腎臓病食品交換表の上手な使い方について教えてください。

食事療法の基本は「医師から指示された1日あたりのたんぱく質量以下で、決められた量のカロリー(エネルギー)を摂る」ことです。実際の使い方は以下のようになります。

  • 医師から食事療法についての指導を受ける(塩分、カロリーなどの適正摂取量を知る)
  • 患者さんの体重や腎臓病のステージによって、食事制限の内容は異なります。医師から個別の指導を受けて、1日に摂ってもよい栄養成分の量が決まったらスタートです。

  • 指示されたたんぱく質が何単位になるか計算する
  • たんぱく質3gが1単位となるので、1日あたりの制限量を3で割ったものが、摂取できる単位量です。オーバーしてはいけないので端数は切り捨てます。

  • 食品交換表から「たんぱく質を含む食材」を選ぶ
  • さて、ここからが本番です。食品交換表は、食材をカテゴリーごとに分類した7つの表で構成されており、表1~4は「たんぱく質を含む食材」、表5~6は「たんぱく質を含まない食材」の一覧となっています。まずは、食品交換表から②で計算した単位まで「たんぱく質を含む食材」を選びます。

    表1:主に主食となるもの…ご飯、パン、麺(1単位あたり平均150kcal)

    表2:副食・デザートとなるもの…果実、種実、いも(1単位あたり平均150kcal)

    表3:副食・付け合わせとなるもの…野菜(1単位あたり平均50kcal)

    表4:副食のメインとなるもの…魚介、肉、玉子、豆、乳とその製品(1単位あたり平均30kcal)

    表1~4からまんべんなく食材を選ぶのがコツです。そうすることで、バランスよく栄養を摂ることができます。必須アミノ酸を多く含む玉子や牛乳は毎日1単位以上摂ることをおすすめします。

    さて、ここからが本番です。食品交換表は、食材をカテゴリーごとに分類した7つの表で構成されており、表1~4は「たんぱく質を含む食材」、表5~6は「たんぱく質を含まない食材」の一覧となっています。まずは、食品交換表から②で計算した単位まで「たんぱく質を含む食材」を選びます。

  • ④③で選んだ食材の総カロリーを計算し、足りない分を表5~6で補う
  • 選んだ食材のカロリーを合計して、医師から指導されたカロリーに近ければ完了です。足りない場合は、表5~6の「たんぱく質を含まない食材」から追加の食材を選んで調整します。

    表5~6はカロリーを調整することを目的に作られているので、表1~4とは違い、100kcalあたりの食品の重量が示してあります。

    表5:エネルギー源となる食品1……砂糖、甘味品、ジャム、ジュース、でんぷん

    表6:エネルギー源となる食品2……油脂

腎臓病食品交換表はたんぱく質以外の制限があっても使えますか?

腎臓病の患者さんは、たんぱく質以外の栄養成分についても摂取量を制限されることがあります。食塩やカリウム、リンなどがその一例です。

腎臓病食品交換表には、これらの表示があるものとないものがあります。食事療法を行う場合は、適正摂取量を制限された栄養成分についても記載がある食品交換表を選ぶようにしましょう。

たんぱく質以外に摂取制限があっても、基本的な使い方は同じです。最終的に制限されている栄養成分の摂取量がオーバーしないように調整すればOKです。

腎臓病食品交換表を使ううえで注意しなければならないことはありますか?

ナトリウムというのは食塩に含まれる成分の一部のことで、「ナトリウム量」=「塩分量」ではありません。一般的にナトリウム量はmg単位で表記されることが多く、塩分量に換算するには以下のようになります。

ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=塩分量(g)

腎臓病食品交換表以外にも食事療法に役立つものはありますか?

食品交換表をベースにした腎臓病用のレシピ本もおすすめです。こちらは、料理ごとにカロリー、たんぱく質、カリウム、食塩などの量が表示されているので、食材から献立を考えるより簡単です。

メニューを使い回すので長期的に利用すると飽きてしまう難点はありますが、腎臓病食品交換表を使い慣れていないかたや時間のないかたには、手軽に使えると人気があるようです。最初はレシピ本でコツをつかみ、慣れてきたら食品交換表で好きな料理を作るというように、食事療法の入門書として利用するのがよいでしょう。

パソコンやスマホで使える栄養管理ソフトなども数多くあります。食材からだけでなく外食メニューからも栄養計算をすることができ、外出先で手軽に使えるという利点があります。病院への提出用にデータをグラフ化したり、週ごと・月ごとに集計したりする機能もあり、医師から定期的な指導を受ける際にも便利です。

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